リズムに弱い日本人
いわゆる音楽の三要素といわれる
①リズム
②旋律(メロディー)
③和音(ハーモニー)の中で、
メロディーとハーモニーはについては、
関心やこだわり、
もしくは
注意、意識が向けられるのですが、
ことリズムに関しては、
おろそかにしがち、されがちです。
しかし、本当は音楽の世界は、
「まず初めにリズムありき」
なのです。
楽譜をつくる仕事をしていて
こんなことを言うのもアレなんですが、
楽譜を見て演奏する場合、
メロディーの音程の間違いや、
和音の押さえ間違いには意識が向くけれども、
(間違えるとわかりやすいので)
リズムの間違いや正確さ、
いえもっというと、
本来出してほしいノリやグルーヴといったことを
素通りしてしまう人が多いのです。
(間違っていてもわかりにくいので)
でも、それはある意味
しょうがないとも思うんですね。
それは、楽譜という記号としての表現方法の限界と、
リズム(感)はルーツや人種によっても異なるからです。
音程感、標準ピッチとしての、
440Hz=A(ラ) というのは世界共通ですが、
楽譜の冒頭に「Swing」とだけかかれていても、
そのスウィング感は、日本人、黒人、西洋人でも違うし、
それこそ個人によっても違います。
440Hz=(A)ラ のような、絶対的な定義がない、
リズムの“曖昧さ”というのも
日本人がリズムに弱いといわれる原因かもしれませんね。
コミュニケーションにおける曖昧さ
(ぼかしたり、にごしたり)を好む日本人ですが、
正解のない問いに弱い、
ということにも通ずるものがあります。
楽譜どおりにはキレイに弾けるけれども、
アドリブには弱い、というのにも共通するかもしれません。
あ、ちなみに、
本当のスウィング感(黒人が出すそれ)を出せる日本人は
ほとんどいないでしょう。
とはいえ、やっぱリズムよね
メロディーの音程がバッチリでも、
和音の響きが美しくても、
リズムが合っていない、
ズレている、ノリがイマイチだと
かなりダサイです。
もっと言うと、
機械的に正確なリズムを刻めても、
「なんだかつまらない」
「のっぺりしてるね」
なんて酷評を受けたり。。
逆に、
ちょっと音がずれていようが、
不協和音が鳴ってしまおうが、
リズムのキレやグルーヴが出ていると、
全体としてメチャメチャかっこよく感じます。
ということで、
なんとなく日本人が軽視しがちな、
そして苦手な「リズム」に焦点を当てて、
しばらく連載を続けていこうと思います。