なぜCDの収録時間は74分42秒なのか?
最近は音楽ファイルもMP3にして、
スマートフォンやケータイプレイヤーに入れて
聴くことが主流になっていますが、
CDのリリース自体は変わらず続けられていますよね。
さて、そのCDの収録限界は74分42秒となっており、
それ以上は1秒たりとも長く録音できません。
どうしてこんなに中途半端な時間になってしまったのか?
それは、ベートーベンのせいだったんです!
CDが初めて発売されたのは1982年です。
これを共同開発したのが、オランダのフィリップスと日本のソニーです。
フィリップスはCDの直径を11.5cmにしたかったそうです。
なぜなら、この長さはカセットテープの対角線のサイズで、
これならカー・オーディオとして普及するはずだという計算でした。
いっぽう、ソニーはサイズよりも録音時間にこだわりました。
75分間収録できるように、
直径12センチにする必要があると主張したのです。
なぜなら、ベートーベンの「交響曲第九番」の
演奏時間を収録するには、75分必要だったからです。
しかし、同じ「第九」といっても
指揮者によって演奏時間はちがいます。
たとえば、最短はワインガルトナーが指揮した62分26秒。
もっとも長いのがフルトヴェングラーが指揮した74分28秒です。
つまり、ソニーはフルトヴェングラーの第九に合わせたのです。
その結果、CDは12センチになり、74分42秒になったというわけです。
ですので、ベートーベンのせいではありませんね!
フルトヴェングラーのせいですね!(笑)
ところで、74分42秒では収まりきらない曲があります。
プッチーニの「蝶々夫人」は120分。
チャイコフスキーの「白鳥の湖」は150分。
モーツァルトの「フィガロの結婚式」は195分。
ワーグナーの「神々のたそがれ」が320分(!)
まったく入りません。。