正常な耳は40万ほどの音を聞き分けられる?
自然な生活を営んでいる人間の耳はどのくらいの能力を持っているのかを
調べたのが、サミュエルローゼン博士です。
ここでいう“自然な生活”とは、
パソコンもテレビも車も家電もない生活という意味で、
いわば文明から隔てられた生活ということを意味します。
正常は耳は40万ほどの音を聞き分けられるということだが、
現代文明の中ではどんなにいい耳でも最高の能力は発揮できないと考えて、
博士が選んだのはスーダンとエチオピア国境近くの山間に暮らす
マバーン族という部族集落でした。
彼らの暮らしは石器時代さながらで、しかも彼らは太鼓を打ち鳴らしたり、
大声でしゃべったりもしない、静かな生活をしているということなのです。
この部族の騒音がどれくらいかというと、冷蔵庫がたてるモーター音の
わずか1/10という音量に過ぎなかったようです。
そんな生活の場合、人間の聴覚能力はどこまで高まるのでしょうか?
500人のマバーン族で試してみたところ、
フットボール競技場ほどの大きさの広場で隔てられていても、
低いささやき声が聞こえたのです。
残念ながら、それがどのくらいの周波数だったかの記述はありません。
ちなみに、人間が聞き取るには最小で40デシベルの音圧が必要とされています。
健康的な生活を送るには、85デシベルが必要とのことです。
ちなみに、呼吸音は10デシベル、木々のそよぐ音は20デシベル、
2人の会話は60デシベル、地下鉄は100デシベル、
離陸するジェット機は140デシベルだそうです。