オーボエは裸のまま10分以上放置すると、割れるってホント?
オーボエは温度変化にとても敏感で繊細な楽器であるがゆえ、
ケースから出したまま外気にさらされ続けると割れてしまう、
という話は実際にあります。
なので、オーボエはまわりの温度に影響されて
冷たくなったり暖かくなったりしないうちに演奏に入るのがよいのです。
管の温度が変わればピッチも変わってしまうからです。
たとえば、外気で管が冷えたとき、
他の管楽器なら息で暖めるというようなこともできますが、
オーボエはできません。
手のぬくもりでゆっくりと暖めなければならないのです。
一度温度の影響で音が変わってしまうと、
他の管楽器にくらべて元に戻るのに時間がかかるんですね。
このような理由がゆえ、
コンサートでのチューニングはオーボエで行われるんですね。
オーボエがA音を長く安定して出せる、
歴史の長い楽器ということもありますが、
問題は温度との関係にあったのです。
オーボエの音が安定しているうちに、
音が変わってもすぐに対応できる他の楽器が
オーボエに合わせてチューニングするというわけです。
そんなに温度変化に敏感なら、
演奏中の息の熱でピッチが狂ってしまうんじゃないかって?
はい、その通りです。
オーボエに限らず、管楽器の音は微妙に変わります。
オーケストラやアンサンブルでは、
演奏者がその変化を感じながらそれに合わせていくことが、
生演奏の醍醐味であるし、
同じ曲であってもその瞬間でしか出せない
唯一無比の音空間だったりするのです。