「日本人はリズム感が悪い」って本当?
「日本人はリズム感が悪い」
「日本人はリズムに弱い」
なんだか嫌な感じだなぁ。
でも、たしかにそんなような気もする・・・。
果たして本当でしょうか?
実はこれ、何を基準にするかで違ってきます。
そもそも、「リズム感」は、その人々が歴史的に
長い時間どのような体の使い方をしてきたかによって異なるのです。
つまり、民族によって身体に染み付いたリズムの取り方が違うのです。
例えば、同じアジア人で地理的にも近い、中国や朝鮮の人々と、
日本人のリズム感はまったく異なります。
日本人は、農耕民族という歴史的背景が、静的なリズム感が染み付き、
静かな立ち振る舞いを“美”とする文化があります。
従って、それを基礎として、能や日本舞踊などの伝統芸能が、
静かな2拍子系の音楽を紡いできたといえます。
ところが、ポップスやジャズ、クラシックなどの西洋音楽からすると、
この2拍子の取りかたは、モッタリとして重く、遅く感じるのです。
つまり、「日本人はリズム感が悪い」というとき、
西洋音楽を基準にして、リズム感が悪いといっているにすぎないのです。
しかし、逆をいえば、ジャズに強くなろうと思ったら、
そのようなリズムの捉え方を身につけなければ、
ジャズ的な“ノリ”や“ビート”“グルーブ”
というものを出すのは難しいといえるでしょうね。