ギターのチューニングの一種。通常、ギターはスタンダード・チューニングでチューニングされているが、これに対し、アメリカのブルース・ミュージシャンやフォーク・ミュージシャンの間では、あるキー(調)に合わせたさまざまな種類のチューニングが使われ、その中で全ての弦の開放音を鳴らすとあるコードになっているチューニングをオープン・チューニングと呼ぶ。オープン・チューニングは多くの場合、決められたあるキーのトニック・コードの構成音にチューニングされる。したがって、オープンGチューニングならば開放弦はGコードに、オープンDチューニングならば開放弦はDコードになるわけである。こういったチューニングでは、決められたキーに関する限りはギターが非常によく鳴り響き、ハイ・ポジションで演奏してもベース・ノートを鳴らすのには開放弦を使えるという利点がある。元来、ブルースやフォークのミュージシャンが使ったフラット・トップのスティール弦ギターは、開放弦の響きがいいので、彼らも好んでこれらのオープン・ストリングス・ベースを使って演奏した。スライド・ギター奏法やフィンガー・ピッキング奏法では現代でもオープン・チューニングがよく使われる。
オープン・チューニングの例
オープン・チューニング名 | 6弦 | 5弦 | 4弦 | 3弦 | 2弦 | 1弦 |
スタンダード | E | A | D | G | B | E |
オープンG1 | D | G | D | G | B | D |
オープンG2 | G | B | D | G | B | D |
オープンD | D | A | D | F# | A | D |
オープンE | E | B | E | G# | B | E |
オープンA | E | A | E | A | C# | E |
オープンC | E | G | C | G | C | E |
オープンEm | E | B | E | G | B | E |
オープンDm | D | A | D | F | A | D |