弦楽器の奏法で、弦長の1/2、1/3、1/4、1/5……の点に指をあて、ピッキングしてからすぐにその指を離し、一定のピッチの倍音(ハーモニクス)を強調するというもの。ギターなどでのハーモニクス奏法には、以下の5種類がある。
<1>ナチュラル・ハーモニクス:12フレット、7フレッド、5フレットに代表される、開放弦のハーモニクス・ポイントでハーモニクスを得る方法。
<2>ピッキング・ハーモニクス:ピックを短めに持ち、ピッキングのあと素早く(同時くらいに)親指の腹を弦に当ててハーモニクスを得る方法。ピッキングする位置は、ナチュラル・ハーモニクスが得られる位置を応用すればよい。たとえば、10フレットを押さえた場合、押さえた位置とブリッジの問の1/2、1/3、1/4などのところでピッキングすればハーモニクスを得ることができる。
<3>人工(アーティフィシャル)ハーモニクス:ナチュラル・ハーモニクスの原理を応用することによって、あらゆるポジションでハーモニクスを得る方法。たとえば、押弦指で5フレットを押さえた場合は、5フレットをOフレットとみなし、そこからサドル(ブリッジ)までの間のハーモニクス・ポイントを、ピッキングするほうの人差指か親指で触れ、その他の指あるいはピックによって弦をはじくことによってハーモニクスを出す。
<4>タッピング・ハーモニクス:押弦位置とサドル(ブリッジ)の整数分の1のポイントをタッピングすることによって、ハーモニクスを出す方法。たとえば、2フレットを押さえ、1/2位置である14フレットをタッピングする。フレットの真上を叩く。
<5>スライド・ハーモニクス:フレットレス・ベースなどで、ハーモニクス音を鳴らした直後に押弦し、そのまま指をスライド(アップまたはダウン)させると、ハーモニクス音がスライド(アップまたはダウン)していく。