あなたのための音楽用語辞典

ピアノ

有鍵打弦楽器。ピアノとはピアノフォルテの略で、普通は88の音が平均律に調律されている。音域は71/4オクタープ(上はビッコロの最高音と同じ4186Hzで、下はチューバより低い27.5Hzまで)。現在、ピアノと呼ばれる楽器はアコーステイック・ピアノとエレクトリック・ピアノ、エレクトロニック・ピアノの3つに大別することができ、それぞれに違った構造を持つている。

(1)アコースティック・ピアノ:
普通、ただ単にピアノといえばアコースティック・ピアノを指す。このアコースティック・ピアノはさらにグランド・ピアノ、 アップライト・ピアノ、スピネット・ピアノに分類される。グランド・ピアノはピアノ本来の型で、打弦機構の違いから、アップライトに比べると、速い連打での安定性などの面で優れている。平型のグランド・ピアノに対して、縦型のものをアップライト・ピアノといい、背の低いものを特にスピネット・ピアノという。グランド・ピアノとアップライト・ピアノではペダルの機能も異なる。グランド・ピアノの場合、左側のペダルはシフティング・ペダルと呼ばれ、打弦装置全体がわずかに移動することで打弦する弦の本数を減らす機能を持つが、これに対しアップライト・ピアノの左側のペダルはソフト・ペダルと呼ばれ、ハンマー全体が弦に近づくことで加速をゆるめるようになっている。また3本のペダルのうち中央のものは、グランドの場合はソステヌート・ペダルで、打弦している鍵盤のみのダンパーに作用(開放)し、アップライトの場合はハンマーと弦との間に薄いフェルトをおろして音量を弱める働きを持つ。

(2)エレクトリック・ピアノ:
弦や鉄の棒、リード状の鉄片を叩いたときの振動をピックアップで拾い、増幅して発音するビアノ。電気ピアノとも呼ばれる。

(3)エレクトロニック・ピアノ:電子回路の発振器を音源にしたピアノ。電子ピアノともいう。弦やリードなどの機械的構造を持たないので、小型、軽量にまとめられることがメリットとなっている。また、シンセサイザーのように数種類の音が出せたり、コーラス効果などのエフェクトがかけられたり、キー・トランスポーズが可能であったりと、電子楽器の特徴を生かしたさまざまな機種が存在する。PCM音源を搭載した最近のデジタル・ピアノと称されるものも、エレクトロニック・ピアノのひとつである。

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