(1)弦振動を電気信号に変える装置。
ピックアップ・コイル、ビックアップ・マイクとも呼ばれる。ピックアップは、コイルと、そのコイルを横切る磁力線を発生する永久磁石からできている。ギターなどのビックアップは、その構造により、シングル・コイルとハムバッキングに分けられる。シングル・コイルは棒状の永久磁石(ポール・ピース)にコイルを数千~一万回程度巻いたもの。通常、プラステイック製のカバー(ビックアップ・カバー)で覆われている。このシングル・コイルは振動や外部の磁力線、あるいは静電気によって雑音を発生する欠点がある。一方ハムバッキング・ピックアップは、シングル・コイルを2個並べて(そのためダブル・コイル・ピックアップともいう)それぞれの磁界の向きを逆にしたもので、弦の振動に対しては2倍反応し、なおかつ外部の雑音を打ち消す作用を持っている。鉄製のポール・ピースの下端に板状のマグネットを置くことによつて複数のポール・ピースに磁力を与えるタイプのものが多く、 ピックアップ・カバーとしては金属製あるいはプラステイック製のものがポピュラーだ。この両者は、そのトーン・キャラクターも異なり、シングル・コイルはハムバッキングに比べて高調波を強く拾う性質がある。このほか、シングル・コイルのサイズにハムバッキングを組み込んだもの、シングル・コイルのポール・ピースのまわりに上下ふたつのコイルを巻いてハムバッキングにしたもの(スタック・タイプ)、複数の棒状ポール・ピースの代わりに1枚の板状のバー・ポール・ピースを使ったものなど、ビックアップにはさまざまなバリエーションが存在する。また、ピックアップからアウトプット・ジャックまでの信号の損失をカバーする意味でピツクアップとプリアンプ(アクティブ・サーキット)を一体化したアクテイブ・ピックアップもある。圧電素子(ピエゾ素子)を使ったもの(ピエゾ・ピックアップ)もあり、これはギターなどのブリッジ部に組み込むことが多い。なお、ピックアップはその設置する位置によっても呼び方の区別があり、ネック側に設置されたものはフロント(またはベース、リズム)ピックアップ,ブリッジ側はリア(またはトレブル、リード)・ピックアップ、ピックアップが3つマウントされている場合の中央のものはセンター(またはミドル)ピックアップと呼ぶ。
ピックアップ
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