あなたのための音楽用語辞典

マイクロフォン

音を電気信号に変換する装置。さまざまな機構、形状のものがある。音のエネルギーを使った小さな発電機と考えることができ、発電機構によって種類が分けられる。振動板に結合したコイルと、固定されている永久磁石を使い、電磁誘導の原理で発電するダイナミック型、振動板と固定電極の間の容量変化を検出するコンデンサー型、振動板にクリスタルやセラミックなどの圧電素子を付けたクリスタル型、セラミック型、そオtそれに特徴があり、使用にあたっては適切な選択が必要である。たとえばロック・コンサートでの使用であれば、多少高域特性が劣っていても耐久性に優れたダイナミック型が安全である。ピアノの繊細な音を録りたければ、コンデンサー型の採用も考えるべきである。別の分類法として、指向性による分類もある。マイク正面からの音に対して感度が高い単一指向性(カーディオイド)。正面だけでなく背面からの音にも同じように感度を高くした双指向性(両指向性)。前後左右上下、どこの方向からの音も万遍なく拾う無指向性。これらも適切に使い分ける必要がある。たとえばPAでは他の楽器類からのかぶり込み防止、ハウリング防止のため単一指向性が多用される。会議などでの収録には無指向性が向いている。対談など、マイクの両側に人がいるときは双指向性が最適である。指向性を表すにはポーラー・パターンと呼ばれる円形の図が使われる。このほか、形状や使用用途による名称もある。ネクタイ・ピンのように使用したり、襟に止めるタイピン、マイク(ラベリア・マイク)、音源のすぐ近くに貼りつけるようにして使うコンタクト・マイクなどである。なお、ギターなどのピックアップ部をマイクと称することもあるが、これは俗称であって正しい呼び方ではない。

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