あなたのための音楽用語辞典

マドリガーレ

イタリアの多声世俗歌曲。14世紀と16世紀に栄えたが、両者は基本的に別物。

14世紀のマドリガーレはバッラータ、カッチャとならぶ定型詩およびその定型をふまえた歌曲で、2声ないし3声。音楽的にはaa(a)bの構成をとることが多い。

16世紀のマドリガーレは自由な韻文にもとづき、主として4-6声。ネーデルラント楽派で培われた対位法の技法を駆使し、あらたな表現の可能性を追求する場となった。

本来は教養ある知的階級の社交のための音楽であったが、1580年代以降、技巧手的に高度なものが増して、演奏家と聴衆の分離が拡がった。また楽譜出版の開始とあいまって、アルプスの北側の国々にも広く分布し、ドイツやデンマーク、ポーランド、とりわけイギリスにおいては各母国語でも創作された。

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