イタリア語で「回帰」を意味するritornoから派生した言葉。楽曲を通じてなんども同じ音楽が反復される部分をさす。バロック時代の声楽作品では、前奏・間奏・後奏に同じ音楽が回帰し、これがリトルネッロとよばれた。
また、バロック時代の協奏曲の急速楽章では、トゥッティ(総奏)とソロの部分が対比的に交代するものが多いが、トゥッティ部分では毎回同じ音楽があらわれ、これがリトルネッロとよばれる。
ロンド形式と似ているが、リトルネッロは、つねに主調でくりかえされるロンド主題と異なり、楽章の冒頭と末尾以外は異なる調であらわれることが多い。