同一のコードが連続している部分に装飾的に加えられる慣用的なラインを指し、作・編曲上の技法のひとつとされる。コード自体を変化させるものではなく、同じコードの中で半音または全音によるスムーズなラインを設定し、それによって同一コードの連続による退屈さからの脱出を図るものである。この種のラインをクリシェ・ラインといい、このラインが最低音(ベース)に示されたものを、特にベース・ライン・クリシェという。クリシェには単音によるメロディック・クリシェのほか、2声以上の動きによるハーモニック・クリシェも含まれる。