タ行

トニック・ディミニッシュ・コード

トニック・コード(Ⅰ)の置かれるべき位置に使用されるデイミニッシュ・コードで、トニック・コードと同じルート(根音)上に構成される(Ⅰdim)。ときには、デイミニッシュ・コードが転回形で使われることもあるため、Ⅰdimのほかにし♭Ⅲdim、♭Ⅴdim (#Ⅵdim)、Ⅵdimなどと表示されるものも含まれるが、これらは本来のトニック・コード(Ⅰ)に直結して安定することが多い。トニック・コードとトニック・ディミニッシュ・コードのスケールは、5つの共通音を持ち、このうち完全4度音を除外した4つは、コード・トーンとテンション・ノートとに各ふたつずつ分類される。残ったふたつのコード・トーンはいずれも半音違いのもので、これらはⅠdim→Ⅰというつながりを半音の上行進行で示すことになる。トニック・ディミニッシュ・コードの用法でもっとも一般的なものは、メロディ・ノートがメジャー7thの場合の使用である。この場合のトニック・ディミニッシュ・コードは、やはりトニック・ペダル・ポイント上のⅦまたはⅦ7に相当する。このうちⅦ7の場合は、トニック・コードの半音下のトライアド(三和音)がトニック・コードに代わって一時的に使われることになるが、このコードはトニック・コードの代理和音的なものではなく、経過的なコードと考えられる。

-タ行

Copyright© 音楽用語集 , 2024 All Rights Reserved.