ハ行

フランジャー

ディレイを応用したエフェクターのひとつ。ジェット機の上昇下降音のような響きを作り出す。入力された音をわずかに遅延させ(lms~l0ms程度で)、原音に加える。すると周波数特性が櫛の歯状になった特殊なフィルター(コム・フィルター)が構成される。遅延時間を時々刻々変化させるとフィルターの特性もそれにつれて変わり、特性の山の周波数が動くにしたがってサウンドもその周波数成分が強調され、独特のフランジング・サウンドとなる。また、こうして得られた音を、再び入力に戻してやる(帰還させる)ことで、より強い効果も得られる。フランジャーの語源は、円形のものの縁を表すフランジ(flange)である。オープン・リールのテープ・レコーダーでリールの縁をおさえて回転を遅らせ、信号を遅延させて原音と混ぜたのが始まりといわれている。その後BBDによる遅延可路が一般化し、「手動式」はなくなったが名前だけは残った。現在、BBDもあまり使われず、デジタル・ディレイ回路が主流となっている。また、効果がジェット機の音と似ていることからジェント・マシンと呼ばれた時代もあった。

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