ハ行

ヘッド

①テープ。レコーダー、VTRなど磁気を使った記録機で、磁気テープや磁気ディスクなどと接触し、磁気のデータを書き込み、読み出し、あるいは消去するパーツ。基本的には、データ(オーディオなら音の信号)を書き込む録音(録画)ヘッド、データを読み出す再生ヘッド、データを消去する消去ヘッドの3種に分類される。しかし、録音ヘッドと再生ヘッドとは同じ構造であるため兼用されることが多く、その場合は録再ヘッドと呼ばれる(R/Pヘッドと略記されることもある)。消去ヘッドは構造が異なる。録音(再生)ヘッドの構造は、ヨークというコアにコイルが巻かれ、コイルに流れる音声などの電流に従った磁力線を発生する。磁力線はヨークのごく細い切れ目(ギャップ)から強く放出され、その前を通過する磁気テープなどに記録される。再生時にはこれとは逆に、テープの磁気をギャップ部で検知し、コイルに信号を発生させる。オーディオ用テープ・レコーダーでは、テープの進行方向順に、消去ヘッド、録音ヘッド、再生ヘッドが並ぶ。VTRでも基本はほぼ同じだが、テープの進行方向に一列に並んでいるのではなく、ヘッド・ドラムと呼ばれる円筒(それ自体も回転する)に一定の角度で埋め込まれている。テープはヘッド・ドラムにΩの字のような形で、らせん状に巻き付けられながら走行する。コンピューターなどに使われるフロッピー・ディスクも磁気記録媒体であるから、ディスク・ドライブにはヘッドが使われている。ただし、ヘッドは録再ヘッドひとつだけであり、デジタル信号用に作られたものである。

②アンプ・ヘッドのこと。セパレート・タイプの楽器用アンプの、アンプ部を指す。

③ドラム・ヘッドのこと。ドラムの打面や裏面に張ってある皮のこと。昔は動物(牛や馬、羊)の本皮が使われていたが、取り扱いや耐久性の問題から、一部のティンパニ、コンサート・バス・ドラムを除いてプラスティック製のものがこれにとって代わった。表面を白くコーテイングをしたもの、スネア・ドラムのスネア・サイド用に特に薄く作られたもの、ヘッドの中央にもう1枚フイルムを貼り合わせたもの、貼り合わせた2枚のフイルムの間にオイルを薄く入れ余計な倍音をカットしたものなど、多くの種類がある。また、合成繊維のヘッドも開発されている。

④ヘッドストック

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