ポルトガルのファド歌謡や民謡に用いられる大きなマンドリン型の弦楽器。およそギターとはいいがたい形をしているが、ポルトガルでギターといえばこれを指し、クラシツク ギターなどのことはビオラ(ビオロン)という(ブラジルでも同様)。この楽器は、複弦6コースで12弦ギター風でもあるが、4度調弦を基本としつつも2カ所ほどに2度音程があるため、ギターの技術は応用できず、通常は人差指にはめた義爪と親指によって、他の楽器とはまったく異なる技術で演奏する。なお、かつては木製ペグがヘッドの裏から差し込まれていたが、近代ではネジで引っ張る方式になっている。