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マイナー・スケール

短調でのメロディやハーモニーの基盤となるスケ-ル(音階)を指し、短音階といわれる。マイナー・スケールは次の3種類に分けられ、各スケールはそれぞれの特徴に応じた役割を分担する。

①ナチュラル・マイナー・スケール(自然的短音階):調号で示された音のみによるスケールで、チャーチ・モードでのエオリアン・スケールに相当する。短3度、短6度、短7度などの短音程の存在が短調のよりどころとしての特徴を示しているが、トニック(主音)への上行導音(長7度音)を欠くため、ハーモニーの基盤としては不十分なものとされる。

②ハーモニック・マイナー・スケール(和声的短音階):ナチュラル・マイナー・スケールでの和声的な不備を、上行導音(長7度音)の設定によって補ったもの。マイナー・キーにおける主要和音(T、D、SD)のすべてがスケール上に構成されており、短調でのハーモニーのよりどころとして活用される。ただし、第6~7音問の増2度(aug 2nd)音程に問題があり、メロディアスなスケール・ノートのつながりは得ることができない。

③メロディック・マイナー・スケール(旋律的短音階):長6度音の使用によって、ハーモニック・マイナー・スケールでの旋律的な不備を補ったもの。そのため和声的に重要視されることはあまりなく、スケール・ノートのメロディアスなつながりのみに焦点があてられる。したがってスケールの下行形では第6、第7音がともに短音程に戻り、ナチュラル・マイナー・スケールと同じものとなる。なお、このほか広い意味でのマイナー・スケールには、チャーチ・モードでのドリアン、フリシアン、ロクリアンなどの各スケールが含まれる。

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