ふたつの回路/機材をつなぐとき、双方の入出力インピーダンスや信号レベルを同一に合わせること。インピーダンス・マッチング、レベル・マッチングなどと使う。日本語では整合という。
マッチングは、行なわなければならない場合、行なったほうがよい場合、行なってはいけない場合などさまざまなケースがあり、扱う信号の種類やシステムの設計思想によって考え方を変える必要がある。音の分野では、入出力インピーダンスが600Ωに規定されている放送用機材の場合、マッチングを行なうのは常識であった。
しかし現在ではあえてマッチングは行なわず、低いインピーダンスで出力し、高いインピーダンスで受ける電圧伝送の考え方が主流となっている。当然これはミス・マッチングである。また、機材によっては、ミス・マッチングでしか使えないものもある(例:出力インピーダンス=100Ω以下、負荷インピーダンス=10kΩ以上、といったスペックの機材)。
ミス・マッチングは決して悪いこととは限らない。ただし、レベルについてはどんな場合でもマッチングさせなければならない。入力の規定レベルよりも大きな信号を入れると、信号に歪みが生じる。また、信号レベルが規定より小さすぎるとs/Nの悪化につながる。