正弦波の音(純音)以外のあらゆる音は、楽器音の場合、その音程を決める周波数成分と、その整数倍の成分を持っている。倍音とは、この整数倍の成分すべてを指す。周波数を決める成分を基本波または基音といい、倍音は高調波ともいう。基音に対して、どんな倍音がどのような割り合いで含まれているかで、その音の音色が決まる。倍音には、基音の整数倍の周波数以外のものもあり非整数倍音と呼ばれる。なお、これらの基音と倍音は、すべて正弦波である(そうでないと、倍音がまた倍音を持つことになる)。したがって、理論的にはさまざまな周波数の正弦波を用意し、基音に各倍音を加えていけば、どんな音色でも作れることになる。これを加算今成法と呼び、オルガンの音色作りはこの方法そのものである。