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同期

シンクロナイゼーション。シンクロおよびシンクと称されることもある。

①電子楽器の自動演奏システムにおいて、テンポ機能を持つシーケンサーやリズム・マシンが、マスターとなる機器とテンポを同じにすること。シンクロ演奏、同期演奏と呼ぶこともある。テンポのもととなる機器をマスター、従う方の機器をスレーブという。マスター機器とスレーブ機器とは、同期信号(シンク信号)で結ばれ、同期信号に含まれる一定間隔のパルスをスレーブ側かカウントすることで、同期演奏が可能となる。主な同期信号は以下のとおり。

<1>MIDIシンク:MIDI規格で定めたMIDIクロック(♪=24)に従ってシンクロ演奏を行なう。MIDIシンクの場合、同期信号はMIDIのシステム・メッセージの中に含まれていて、同期する機器の間ではパルスではなくMIDIのクロックのメッセージを受け取ることで、テンポ情報を得てシンクロ演奏する。 MIDIシンクにはテンポ情報のほか、スタート/ストップなどの情報も含まれている。また、ソング・ポジション・ポインターと呼ばれるメッセージを受け取る機器では、曲の途中の小節からの同期も可能である。

<2>DINシンク:5pinのDINケーブルをマスターとスレーブの間に接続することにより、テンポとスタート/ストップなどをマスター側ですべてコントロール可能。テンポ同期のためのパルスは♪=24で、このパルスをスレーブがガウントすることでシンクロ演奏を行なう。

<3>パルス・シンク:いちばんシンプルなシンクロの方法。テンポのもととなるクロック・パルスをマスター側から出力して、それをスレーブが受けてカウントする形で同期をとる。このパルス・シンクの場合、スタート/ストップはマスター、スレーブの両方で操作する必要がある。接続には一般のフォーン・ケーブルを使う。このパルス・シンクの場合、接続する機器によって♪=24, ♪ =48, ♪ =96などのように、1拍分のパルス数(これをタイム・ベースと呼ぶ)が異なることがあるため、タイム・ベースを合わせるためのクロック・インターフェースが必要である。②シンセサイザーで、ふたつのオシレーターの波形を同期させること。単にsync (シンク)ともいうo。sync inを持ったVCO-2にもうひとつのVCO-1の出力を接続すると, VCO-2の出力の基本周波数はVCO-1のものとなり、波形が複雑になって、高次倍音も増えてくる。また, VCO-1とVCO-2の比によっては、新しい波形を作ることもできる。

③テープ・レコーダーやVTRなどの装置と電子機器の自動演奏システムを同期させること。このシンクロを特別にテープ・シンクと呼ぶ。この場合、テープ・レコーダーやVTRなどがマスターとなり、シーケンサーやリズム・マシンがスレーブとなる。上記のようにテープ・レコーダなどと電子楽器の自動演奏システムを同期させるテープ・シンクを行なうためには、マスターとなるテープ・レコーダーに同期信号(これを特別にテープ・シンク信号と呼ぶこともある)を録音しておいて、それを再生時に読み取ってシンクロ演奏を行う。テープ・シンクに使われる同期信号の代表的なものを以下にあげる。

< 1 >FSK信号:MIDIクロックやパルス・シンク用のクロックからパルスを作り、テープに録音できるように変調したもの。パルスがオンのときは2.4kHz,パルスがオフのときは1.2kHzのオーディオ信号になっている。

<2>SMPTE信号:普通、業務用のVTRやMTRなどのシンクロに使われる同期信号であるが、電子楽器とテープ・レコーダー間の同期にも使われている。このSMPTE信号は、タイム・コードという絶対時間の情報を持つデジタル信号となっている。そのため、上記のインターフェースでは、テンポの同期のためにSMPTEの時間進行と曲のテンポ進行を内蔵のコンピューターで計算して「〇小節〇拍目は〇分〇秒」という具合に対応させるタイム・テーブルを自動的に作り、そのタイム・テーブルに合わせてテンポ情報を送り出すようにしてシンクロ演奏を行う。

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