音の振動などの様子を時間軸に沿って表示したときにできる波の形のこと。普通、楽音は周期的な振動をしていて、形は繰り返しパターンになっている。一般的にそのパターン1周期分を波形という。音の波形は、いったん電気信号に変換してオシロスコープで観察することができる。また、音の波形の場合、波形の違いは音色の違いになる。これは高調波成分によって波形が決まるからである。高調波の成分が多いと、波形には細かい起伏や鋭いカーブが現れ、高調波の成分が少ないと波形は丸みを帯びてくる。以下に、シンセサイザーなどで音源波形として使われる代表的な波形と、その高調波成分(スペクトル)を示す。
①正弦波:サイン波ともいう。高調波成分が全くなく、基本波の成分のみで構成されている波形。
②鋸歯状波:ノコギリ波ともいう。高調波成分が多い。。
③三角波:高調波成分が比較的少なく、正弦波に近い音である。
④矩形波:方形波、パルス波ともいう。波形のレベルの高い部分と低い部分の比(PW=パルス・ウィズ)でバリエーションがある。PWはデューティー・サイクルともいうが、PWの値によって、その矩形波の持つ音色は違ってくる。PWの値が0%に近づくほど音が固くなり、50%に近づくほど音は丸くなる。PW=50%の波形を対称矩形波と呼び、この波形は奇数次倍音のみで構成されている。