曲の終わりやフレーズの大きな段落などで、和音の流れによって一つの終わりを形作ること。特に終止点(強拍上)でトニック(主和音)に達することで調性が確立し、安定した終止感が得られる(完全終止、変終止)。終止には以下のものがある。なお、(3)(4)は曲の終わりには使われない。
(1)完全終始
全終止、正格終止ともいう。ドミナントからトニックヘの進行(Ⅵ7)→I)両和音ともバスが根音、Iのソプラノが主音であることが条件。またドミナントの前にサブドミナントの和音をもってくると、より終止感が強まる。
(2)変終止
変格終止、プラガル終止、アーメン終止ともいう。サブドミナントからトニックヘの進行(Ⅳ→I)で、完全終上の後に付けられることも多い。
(3)偽終止
V、V7がIへ行くと見せかけて、期待に反してⅥに進行すること。V(7)⇒Iというパターン化された進行に意外性を与えたり、終止を延長するときなどに使う。
(4)半終止
曲の途中で段落点を作るとき、V(第7音を含まない)で一区切りすること。