20世紀にうまれた音楽、とくに20世紀の西洋芸術音楽をさす。20世紀は、進歩と革新、独創性をめざす「モダニズム(近代主義、現代主義)」を精神的な支柱として、時代に見あう表現手段と新たなメディアを模索しながら、さまざまな前衛的スタイルをうみだした。こうした前衛音楽は世界各地に拡散して、グローバルスタンダードを形成したが、一方で非西欧諸国からはそのリアクションとして「ポスト・モダン」とよばれる諸潮流が生まれた。さらに伝統主義の復活や、それまで傍系とされてきた音楽の再評価という現象も起き、世紀末には前衛と保守という図式も相対化されることになった。
また、芸術音楽とポピュラー音楽、民族音楽の境界線も曖昧化され、ますます折衷化と多様化が進んだ。20世紀音楽を、モダニズムが進展した20世紀前半と、さまざまな潮流が混在し、相対化が深まった第二次世界大戦後とに、大きく分けてみることもできる。