十二音技法の原理によって構成された音楽。ドデカフォーニともよばれる。おもに新ウィーン楽派による1920年代以降の無調作品をさし、シェーンベルクの「5つのピアノ曲」op.23の第5曲が最初の例とされる。音列を2~4つのセットに分割し、それらを組み合わせることにより、ある一定の響きを引き出す手法をはじめ、技法の扱い方を多岐にわたる。調整的な十二音音楽の可能性を探ったベルクをはじめ、ストラヴィンスキー、ダラピッコラら、みずからの語法に吸収し共存させた例も多い。また、一部に十二音技法の原理を用いている場合もふくめ、20世紀音楽の大きな潮流を形成した。