ロマンス
中世の吟遊詩人により歌われた騎士物語や恋愛歌。18世紀のフランスでは叙情的歌曲を指していた。その頃ドイツでは器楽による性格的小品にロマンツェという名を付けるようになった。モーツァルトやベートーヴェン、 ...
レントラー
オーストリア、バイエルン、ボヘミア地方で行われた田舎風の農民舞踊。3/4拍子(3/8拍子)のゆるやかな舞曲で、ゆっくりしたワルツに近い。19世紀半ば頃から、ワルツの流行によってすたれた。
レチタティーヴォ
「叙唱」の意味。オペラ、オラトリオ、カンタータなどの中で、話し言葉で語るように歌われる部分をいう。美しい旋律を歌い上げるアリアに対し、レチタティーヴォは劇の状況や物語の展開を説明するときに用いられる。
リチエルカーレ
元は「探究する」の意味。16~17世紀の器楽由に対して用いられた名称。多くは模倣的な形式を持ち、フーガの前身とされる。
リゴードン(リゴドン)
南フランスのプロヴァンス地方に伝わる舞曲。17世紀中期に宮廷舞踊、器楽曲となった。快活な2/4または4/4拍子。
リート
(1)一般的にはドイツ歌曲のことを指す。シューベルト、シューマン、ブラームス、ヴォルフ、R.シュトラウスなど、多くの作曲家の作品がある。 (2)広く「歌」全般を指すこともある。
ラプソディー
狂詩曲。元は古代ギリシャの短い叙事詩のこと。叙事的、英雄的、民族的な色合いを持つ自由形式の器楽曲。19世紀以降、リスト〈ハンガリー狂詩曲〉、ブラームス、ラフマニノフ〈パガニーニの主題による狂詩曲〉、ガ ...
有節歌曲
詩の各節ごとに、第1節につけられた旋律をそのまま繰り返す歌曲のこと。比較的単純な叙情詩に多い。シューベルト〈野ばら〉など。
モテット
フランス語「mot(モ)=言葉」に由来。元来は聖書の言葉を歌詞とする中世の無伴奏多声部合唱曲。ただしバロック後期以降は、バッハに代表される、ポリフォニーによる短い宗教的合唱曲を指すようになった。
メヌエット
フランス語のmenu(小さい)に由来する3/4拍子の典雅な舞曲。中間部(トリオ)をもつ(複合)三部形式。17世紀中期に宮廷舞踊として流行し、古典組曲ではジーグの前におかれることもある。後に古典派のソナ ...